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駄文~大戦?~:『ICB』 8th Album おまけ 3話

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ICB おまけ


『ICB』 8th Album おまけ 3話


不思議だ。
こうして、この者と戦っているうちに戦場で戦っているような感覚に襲われる。
久しぶりに槍を握った時は、どう扱っていいかわからなかった。
槍自体は実にしっくりと手に納まっているのに。
試しにあの者がやっていた演舞をしてみる。
始めはうまくいかなかったが、突然槍が自分の手のように感じられた。
槍と一体となるこの感覚。
高揚感が生まれる。
これから戦場に行くように。
「準備運動は終わった。行くぞ。遼超 雷破」
青年の顔がほんのりと朱に染まり、槍を構える。
隙を見出せないのか、動かない。
ならばとこちらから槍を繰り出した。
かわし、打ち込み、受け止め、攻める。
何回こうしていただろう。
青年の気が変わり、力いっぱい槍を振り下ろしてきた。
それを受け止める。
「くっ!」
さすがに青年の一撃は重かった。
耐え切れず、青年の槍が我の額まで届こうとしている。
老いたとはいえ、我は呉軍に「遼来来」と恐れられた男。
まだ、この者に負けるわけにはいかぬ!
力の限り押し戻し、青年の槍をはじいた。
「っ!」
青年の体の重心が少し上に行きかけたところを畳み掛ける。
上から一撃・二撃。
これは受け止められ、また攻撃を繰り返す。
一撃・二撃・三撃。
最後の三撃目は横から上へ槍を繰り出した。
予想していなかったのだろう。
とっさの判断が遅れたせいで、槍は青年の手を離れ、地面に突き刺さる。
青年はその槍を呆然と見ていた。
青年の鼻先に槍の切っ先を向ける。
青年が我を見た。
澄んだ・・・良い瞳をしていた。
青年は微笑んだ。
「参りました。やっぱり張遼殿はすごぃです」
青年はすっきりした顔をしている。
地面に刺さった槍を取り、また丁寧に包みなおし、こちらを見て一礼した。
「ぁりがとぅござぃました」
くるりと門がある方向に向かって歩きだす。
その時、この青年をこのまま帰すのが惜しくなった。
「待て。茶でも入れよう」
「えっ?」
青年が驚いた声をだして、振り向く。
「稽古してやろう。貴殿の槍は素直すぎる」
だが、それがいい、とは言わなかった。
家に向かって歩き出す。
「ほぇ。は、はぃっ」
変な返事をしながら、後ろをついてくる足音。
この青年がどう成長するか楽しみになり、歩きながら笑みがこぼれた。


-おしまい-
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