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駄文~大戦?~:ダブルS NO.2 2006.6.6作

駄文~大戦?~

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ダブルS


ダブルS NO.2 2006.6.6作


ガゴン!
自動販売機からジュースが出てくる。
深夜に近い旅館だからなのか、かなり音が響く気がする。
ジュースを持って、側にある椅子に腰掛ける。
これからどうしようかな?
荀平さんの邪魔はしたくないし。

僕、むつーは上司の荀平(プロデューサー)さんとリョーチョー(僕の友達)と一緒に、獅子天(館長)さんの誘いにのって、ダブルS(押しも押されぬ人気アイドル)とマネージャー(僕の先輩達)と共に温泉旅館に来ている。
部屋割りは、僕と荀平さんとリョーチョー、マネージャー二人と獅子天さん。
四人部屋に三人だからかなりゆったりしてる。
ダブルSはもちろん二人部屋。
荀平さんは獅子天さんに旅館代金はこちらが払うから、ときっぱりと言った。
そのときは、かっこいいと思ったものだ。
だってかなり高そうな旅館だよ!
僕の給料の・・・いや、やめとこ。
しかし、どうやら会社の経費で落とそうとしていたみたい。
で、思いついたのが、寝起きドッキリという企画だ。
マネージャーには内緒らしい。
普通はマネージャーに断っておくものでは?
で、よくよく聞いてみると、TOM9さんだけ知らないらしい。
な、なんだかいやな予感がする・・・。

企画の打ち合わせをした後、食事をしたんだけど、荀平さんはかなり酔っ払ってしまった。
部屋に戻ると、和室部屋の掛け軸の虎をじ~っと見ている。
「じ、荀平さん?」
「むつ~くん、かつてこの虎で~だ、トラ退治をした男が~いた。誰かわかるかい?ん?」
がっしり、肩をつかまれて逃れられない僕。
とりあえず答えてみる。
「え、え、一休さんですか?」
「違う!違うぞ~、むつ~くん。君も~この局の社員なんだから~、覚えてなくては~ダメだぞ~。そう、こうやってだ・・・」
うわ~、荀平さん、実演しなくてもいいですって。

それから30分後、やっとすやすやと寝息が聞こえた。
ふぅ。
ちなみにリョーチョーのばか(いいんだ、ばかで)は食事の後、『女の子がぃ~っぱぃいるところに絵を描きに行くんだww』とうきうきしながらいなくなった。
僕は連れて行ってくれなかった・・・。
ひとりじめしたいらしい。
いいけどね。
絵なんか描けないしさ。
なんとなく手持ちぶさたになって、カメラの手入れを始めちゃったりして。
本当はリョーチョーと三国志大戦オフラインするつもりだったのにな・・・。

あれ?思いのほか熱が入ってしまった。
きちんと手入れされたカメラが出来上がっちゃったよ。
後ろで動く気配がして、見ると荀平さんが起き上がったところだった。
ぼ~っとして、まだ酔いは醒めてないみたい。
「荀平さん、大丈夫ですか?」
「むつー、今何時だ?風呂はまだ入れるか?」
「まだ大丈夫みたいですよ」
時計を見ながら答える。
たぶん今から行っても、十分にゆったり出来ると思う。
荀平さんはちょっとふらふらしながら、部屋を出て行った。
その後すぐに大きな鈍い音が聞こえたけど・・・たぶん大丈夫だろう。

1時間後、荀平さんは部屋に戻ってきた。
酔いも醒めてやけに真剣な表情をしている。
「むつー、いい人物に出会ったんだ。ここに来たのは正解だった」
がさごそ自分の荷物を探って・・・あ、荀平メモだ・・・。
この荀平メモは、芸人さんのネタ帳みたいなもの。
書き始めたということは、アイデアがどんどん出てきてるということだ。
どうやらある人物にあって、急に創作意欲を掻き立てられたみたいだな。
そういうときの荀平さんは恐ろしい集中力を発揮する。
話しかけちゃいけないような感じがして、でも他にすることがなくて・・・。
結局そ~っと部屋を抜け出した。

そして、ここにいる僕。
くるくると缶を回してみても時間はそんなにたってくれない・・・。
飲み終わった缶をゴミ箱に入れる。
かすかに聞こえる声の他は静かで、廊下は少し薄暗い。
何もすることがないし、さて、そろそろ帰ろうか・・・。

「やっ・・・」
女の子の声がした。
クリアに聞こえたから、部屋の中じゃない。
なんとなく姫の声のような・・・。
気のせいかもしれないけど、見に行ってみよう。
すこし早足で声のしたほうに向かう。
そこには男2人に手を引かれ、無理やり引きずられている浴衣姿の姫が・・・。
「やだ。離して!」
そういう声は小さい。
深夜ということもあるけれど、大きな声を出すのをためらっているようだ。
そりゃ、こんなところにダブルSの姫が来てるのがわかったら、大変なことになるだろう。
パニックじゃすまないような気がする。
やっぱり男2人の力は強いのか、姫が体重をかけてもずるずると引っ張られている。
ここは・・・そう、助けなければ!
でも、僕一人では無理かもしれない。
ここは荀平さんを呼んで・・・。
駄目だ!
たぶん呼びにいってる間に、見失う。
ここは覚悟を決めて・・・。
と思ったら、相手のほうが僕に気づいたみたいだ。
片方の男が姫の手を離して、僕に近づいてきた。
姫もこちらを見て、ちょっとびっくりしたみたいだけど、不安げな表情をする。
2対1という状況だし、僕はどちらかというと細身で強そうに見えないしね。
でも今は姫を守らなきゃ。
僕のほうも近づいていく。
ちょっと姿勢を正して、なるべく大きく見えるように。
強く見えるように・・・。
「何か?」
先に相手が威圧的にきちゃったよ。
「い、嫌がってるみたいですから、離してもらえませんか?」
なぜか丁寧に話をしようとする僕。
「・・・あんた、知り合い?」
「ええ、だか」
ら離してあげてください、と最後まで言えなかった。
眼鏡が落ちる。
頭がチカチカして、頬が痛くなる。
殴られた、と思った。
ぐらりと自分の体が倒れそうになるのを、重力に逆らって耐える。
「きゃあっ!むつーくん」
姫の声に驚いたのか、相手の手が緩んだところを振りほどいて姫が僕のそばに駆けてくる。
「むつーくん、大丈夫?」
「・・・」
大打撃の文字が見える・・・。
そんなことを考えているうちに、周りからカタカタという音と人の声が聞こえてきた。
男たちの遠ざかる足音も聞こえたけど・・・。
まずいよ!パニックになる。
とっさに姫の顔を隠そうとして・・・思わず抱きしめちゃったよ!
「む、むつーくん」
姫の声が僕の胸の辺りから聞こえて、僕から離れようと動き出す。
「ごめん。でもパニックになると困るから」
とっさに口からでちゃったけど、この一言が聞いたようだ。
姫の抵抗がなくなる。
ドアが開く音が次々としてくる。
そして、また閉まる音。
「なんだ、痴話喧嘩か~」
という声も聞こえた。
ということは一応はカップルに見られてるんだろうか?
なんだか、嬉しくなってくる。
こうしていると姫の髪のにおいがして、僕を刺激する。
細いと言われてるけど、程よく肉がついてるみたいですごくやわからい。
やっぱり守ってあげなくちゃ、と思わせる。
不意にもっと抱きしめたくなる衝動をこらえる。
ダメだ、こらえろ、むつー。
嫌われたくないだろ?
ぽんと手が肩に置かれる。
「何をしてるんだ?むつー」
1オクターブ低~く響くその声は・・・天敵TOM9!・・・さん。
慌てて姫から離れる。
「違うの。むつーくんは助けてくれたんだよ」
姫がフォローをして、いきさつを話してくれる。
TOM9さんはため息をついて、下に落ちている僕の眼鏡を拾って差し出した。
「ほら」
かけてみたけど・・・歪んでるよ。
修理に出さなきゃ駄目だな。
「姫、部屋に戻れ。むつーもな」
「はい」
二人の声が重なる。
TOM9さんに軽く肩を2回叩かれた。
「むつー、送ってやれ。よくやった」
今なんと言いました?
よくやった?
聞き間違いじゃなければ、たしかにそう言ったよ。
あのTOM9さんが!
僕をいじめることを生きがいにしてるような人が!
TOM9さんは逆方向に歩いていった。
僕は姫と一緒に歩き出す。
「眼鏡、ごめんね」
「また買い替えればいいし、いいですよ。姫が無事でよかった」
これは本心。
これで姫が連れられていってたら、どうなっていたかわからないもの。
「眼鏡、お詫びに私が買ってあげる」
「いや、いいですよ」
「ううん、それぐらいさせて」
たぶん、姫は譲らないだろうと考えた僕は・・・。
「わかりました。そのときはかっこいい眼鏡をお願いします。男前に見える眼鏡を・・・ね」
「むつーくんは、眼鏡かけてもかけなくても男前だよ」
えっ、それってと聞こうとしたら、姫の部屋の入り口についた。
姫が僕と向かい合う。
「今日は、ありがと」
「いえ」
姫がちょっと背伸びをして、殴られた頬じゃなく右の頬に軽くキスする。
えっと思ったときには、姫はもうドアを開けていて、じゃと言ってドアは閉まった。
呆然としてる僕。
今、何が起こったんだろう。
とんでもないことが起こったような気がする。
そこからちょっと記憶があいまいだ。
自分の部屋に入って、僕を見てびっくりする荀平さんを横目に布団の上に座る。
むつー?と呼びかける荀平さんの声は聞こえるけど・・・なんだかふわふわしてて・・・。
姫が僕に・・・。

そこから本当に記憶が無い。
後から聞いた話だけど、荀平さん曰く、むつーがすごい顔して帰ってきたから(頬がはれてたんだろう)びっくりして、問いただそうかと思ったら布団に倒れこんだらしい。
う~ん、僕は一瞬でも座った様な気がするのに・・・。
それから寝起きドッキリまで、僕はずっと寝てたらしい。
荀平さんに起こされたら、リョーチョーが帰ってきてて、どうやら散々な目にあったらしい。
かわいいけどとても怖いお姉さんが、綺麗に描けと脅したそうだ。
それで、ずっと絵を描いてたんだって。
僕をおいて行った報いだよ。
なんて思ったけど・・・あんまりかわいそうになったんで慰めてやった。
その後、リョーチョーはすやすや就寝。
僕はカメラを準備しながら、どんな顔して姫に会ったらいいんだろう、とちょっと考えていた。
ま、カメラを構えたら、そんなことを気にする時間はないけどね。
さて、仕事を頑張りますか・・・。
カメラを持ち上げると、部屋のドアに向かう。
昨日とは少し違う自分がいて、なんとなく嬉しくなった。

-おしまい-
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